Glenfarclas distillery グレンファークラス
アイコンズ・オブ・ウイスキー (ICONS OF WHISKY) 2020・2023スコットランド 最優秀蒸留所
ゲール語で「緑の草の生い茂る谷間」を意味するグレンファークラスは、スコットランド・ハイランド地方スペイサイドで1836年に創業しました。スコットランドの蒸留所の半数以上が集結しているこの地は、清涼な空気と良水に恵まれ、大麦の主産地であり、また燃料となるピートも豊富に産出する、ウイスキー造りに最適な土地です。 1865年にグラント家が蒸留所を購入して以来、6世代にわたり家族経営を続けるとともに、伝統的なスペイサイドスタイルによるウイスキー造りにこだわりつづける、現在では数少ない蒸留所です。時代に左右されない信頼の味わいは、世界中のウイスキー愛好家を魅了し続けています。
歴史
蒸留所のはじまり John Grant 初代 George Grant 二代目 George Grant 三代目 George S Grant 四代目 John LS Grant 五代目
グレンファークラス蒸留所の公式な創立は1836年です。しかし、1791年の絵画にはすでに蒸留所が描かれており、このことから蒸留所の歴史が、実際はもっと古いことが分かります。グレンファークラス蒸留所は1836年という年について、英国政府に酒税を収め始めた悲しい記念年だと、ジョークを交えて説明します。
1865年6月8日、グラント家が511ポンド19シリングで蒸留所を購入しました。初代のジョンは農業を営んでおり、家畜(アバディーン・アンガス牛)の放牧用に購入した土地に蒸留所も含まれていました。
1870年から父親のジョンと一緒にウイスキー造りを始め、間もなくして英国植民地向けに輸出を開始します。また1880年には、現在も当時の姿のまま使われている、ダンネージ式の最初の熟成庫が完成しました。
2代目のジョージ・グラントの急逝後、若干16歳で家督を引き継ぎ、1897年に蒸留所に近代的な設備を導入するなど、生産拡大を推し進めました。しかしその翌年、外部のパートナーと共同経営していた会社が倒産します。1890年代のウイスキーバブルに便乗しようと持ち掛けられた儲け話しでしたが、結果的に莫大な借金を負うことになりました。蒸留所の経営を再建するまでに15年も要した苦しい経験から、今日まで家族経営を継続しているグラント家の独立精神(The Spirit of Independence)が誕生しました。
52年という長期間オーナーを務めました。 彼がオーナーに就任した1950年代は、ウイスキー業界が急成長した時期でした。ブレンデッドウイスキーの急激な需要の高まりを受けて、ブレンド用原酒を供給していたグレンファークラスも、1960年には蒸留器を2基から4基に増やすことにより、生産量を倍増させます。しかし、1968年以降はブームが去り、ブレンド用原酒の需要が激減。グレンファークラスも、大手ブレンデッドメーカーから契約を切られてしまいます。 以前からこうした状況を予見し、蒸留所の未来は自社ブランドの確立にあると考えていた4代目ジョージは、ブームの終焉前から自社ボトリング用の原酒のストックを増やしていました。業界の再編が進みどの生産者も大幅な減産を行う中、グレンファークラスは時流に逆らい、将来を見据えて増産を進めます。1976年には蒸留器を4基から6基に増やし、現在に至る生産体制を整えます。 今日でも古い原酒を豊富にストック出来ているのは、4代目のお蔭です。グレンファークラスはスコットランドの蒸留所の中で、最も豊富なヴィンテージ・シングルモルト・ウィスキーを提供しています。
スコットランド銀行に3年間、更にティーチャーズウイスキーで3年間勤務した後、1973年から家業であるグレンファークラス蒸留所の経営に参画しました。2002年に5代目に就任するまでの約30年間、4代目と二人三脚で蒸留所を経営します。 ジョンは、自らがセールスマンとなり世界中を旅して輸出販路を広げ、今日の基礎となる販売網を築きます。また、毎年スペインに行き、グレンファークラスの熟成に欠かせないシェリー樽の安定調達の手段も確保しました。 ジョンが企画して2007年にリリースされた、シングルカスク・シリーズ(ファーストリリース:vt.1953-1994)の“ザ・ファミリー・カスク”は、現在ではグレンファークラスの代名詞にもなっています。独立した家族経営を続けるグレンファークラスだからこそ成しえる、非常にユニークなシリーズです。
製法
グレンファークラスの仕込み水は、蒸留所の背後に聳え立つスペイサイド最高峰のベンリネス山から湧き出る清廉な湧き水です。山の中腹に独自の水源を持っており、良質な湧き水を安定して調達しています。 また原料となるモルトは、ピートを一切焚かないノンピートモルトを使用しています。
一貫してこだわるのが、今では非常に珍しくなった、ガスバーナーによる直火焚き蒸留です。かつて、より効率的で経済的な間接加熱も実験しましたが、それではグレンファークラスの個性が出せないと結論付け、昔ながらの直火焚き蒸留を続けています。現在、スペイサイド最大級、3対6基のボール型直火焚き蒸留器が稼働しています。
直火焚き蒸留と並んで強いこだわりを持つのが、シェリー樽での熟成です。非常に高価なシェリー樽ですが、フィニッシュのみの使用は一切行わず、100%シェリー樽熟成を続けています。シーズニングのシェリーは、全ての種類を試した結果、最終的に行きついたのがオロロソシェリー。30年以上前から契約するスペインの生産者から、安定して良質なオロロソ樽の供給を受けています。 また、1stフィルから4thフィルまでのオロロソ樽を使い分けることによって、さまざまな味わいを生み出し、幅広いラインナップを提供しています。
熟成庫のスタイルも、100年以上前から変わりません。約10万樽のストックは、蒸留所に併設された背の低いダンネージ式熟成庫で熟成されています。40を数える熟成庫のサイズはまちまちですが、共通しているのは最大3段までしか樽を積まないこと。ベンリネス山から吹き降ろす風の影響もあり、天使の分け前は非常に少なく、ゆっくりと熟成が進みます。グレンファークラスの個性の源は、熟成環境への変わらないこだわりにもあります。
この生産者の商品一覧
The Aged 熟成年数表記シリーズ
定番で取り揃えるラインナップ。1st〜4thフィルまでの原酒を使用し、10年〜25年までをリリースしています。
グレンファークラス105
驚くほどパワフルな味わい、驚くほどスムーズな喉越し。グレンファークラスが持つ味わいの全ての要素が、この1本に凝縮。
200mlシリーズ
熟成年数表記シリーズの200mlボトル。お試しやプレゼントなど、幅広く活躍できるミニサイズ。
Red Door レッド・ドア
4代目ジョージ・グラントが当時の業界の時流に逆らって蓄え続けていた原酒があるからこそ作れるウイスキー。4代目がこだわったシェリー樽が、リッチで魅力的な甘みをもたらしています。 蒸留所のシンボルとしても有名な、先祖代々受け継いできた伝統的な熟成庫の扉(レッド・ドア)をモチーフにした、現代的で革新的なパッケージでお届けします。
Japan Exclusive グレンファークラス日本限定商品
グレンファークラスの日本限定商品です。
グレンファークラス ディケイズ
1st-4thフィルのシェリー樽原酒を、4つの年代(ʻ80,ʼ90,ʻ00,ʼ10)から厳選し、エレガントで深みのあるテイストを追求したグレンファークラス。
The Family Cask ザ・ファミリーカスク
「Glenfarclas THE FAMILY CASKS Single Cask Highland Single Malt Scotch Whisky」、通称「グレンファークラス ファミリー・カスク シリーズ」。 グレンファークラスの所有するウイスキーのストックは10万樽にも及びます。それらの樽から厳選されたシングルカスクを、「ザ・ファミリー・カスク」シリーズとして2007年に発売しました。現在は1954年~2007年までのヴィンテージを取り揃える、家族経営のグレンファークラスならではの、他に類を見ないシリーズです。 国内外問わず、問い合わせが殺到。既に在庫がないヴィンテージも多く、今ウイスキー愛好家の中で一番人気急上昇中のウイスキーと言えるでしょう。大切な方への『記念年のお祝いの品』として、喜ばれること間違いありません。