生産者インタビュー「洪水のその後」~バレンシア「チョサス・カラスカル」

日本でも話題となったバレンシアの洪水被害についてワイナリーより状況を伺いました。

スペイン三大祭りのひとつで、2016年にユネスコの世界無形文化遺産に登録された「バレンシアの火祭り(Fallas)」。毎年3月1日から19日まで行われ、夜中に花火や大量の爆竹が鳴り響き、街には多くの巨大なオブジェが飾られ、最終日19日の夜には一体を残し他は一斉に燃やされるという伝統的お祭りが、今年も行われました。
バレンシア地方では2024年10月29日に洪水被害が発生。日本のニュースでも大きく取り上げられ、自然災害の怖さを改めて痛感させられました。
今年の火祭りのオブジェにはやはり被害をうけた地域へのオマージュを込めたオブジェも飾られていたようです。

今回のこの“悪夢のような”洪水被害において、実際にワイナリーにはどのような影響を与えたのでしょうか。洪水からおよそ半年経ち、改めて現地からの生の声をお届けしたいと思います。バレンシア市内から車で約1時間、標高750Mの高地にあるワイナリー「チョサス・カラスカル」に当時の状況を伺いました。

  • 洪水の被害について、ワイナリーへの影響はいかがでしたでしょうか?
    とてもひどかったです。
    2024年10月29日、わずか数時間での降水量は400リットル/m2に達しました。これは例年ならば1年間の降水量です。予期せぬ豪雨に川からは水があふれだし、甚大な被害をもたらしました。私たちのワイナリーではこの不測の事態に直面し、3人のスタッフが身動きのとれないままその夜を過ごすことになりました。

画像でもお分かりになるかと思いますが、ワイナリーは水であふれ、熟成庫に静置されていた樽はまさに「溺れるように」浮かんでいます。これにより我たちの所有する30%のワインを失うことになりました。

日本でも大きなニュースになっていましたが、その後バレンシアはどのような状況でしょうか?現在は天候が回復しています。被害を受けた地域は復旧作業中ですが、元の生活に戻るまでには数カ月、あるいは数年かかるところもあるでしょう。多くの住民が全てを失いました。幸いなことに多くのボランティアをはじめ世界中から支援が集まっています。

ワイナリーは徐々に通常へと戻りつつあります。今回の大きな損失はありましたが、生き残っていたワインから新たに瓶詰めもでき、とてもよい品質に仕上がっています。ご存じのように私たちのワインは非常に高いレベルの品質だと自負しており、「チョサス・カラスカルらしさ」を失わずに高い品質を今後も維持していきます。

  • 今後の展望や新プロジェクトはありますか?

いくつかの新商品の構想はあります。こちらは情報公開を楽しみにお待ちください。
また、近年では白ワインの需要が多いため、2区画に新しく白ワイン用のブドウを植える予定です。ガルナッチャ・ブランカや、メルセゲラというバレンシアの土着品種を予定しています。

以上、チョサス・カラスカルからの近況レポートでした。今回大きな被害を受けたこのワイナリーですが、今後の発展や新しいプロジェクトにも期待したいと思います。

チョサス・カラスカル「ラス・ドセス」シリーズ
ブルゴーニュタイプのボトルへ変わり、赤白共によりエレガントさも加わったカジュアルながらも凝縮感、味わいの個性がはっきりと感じられる、この春おすすめのワインです。お花見やテラスで春の陽気と共にお楽しみください

ワインの「ラス・ドセス」はチョサス・カラスカルの頭文字C をとって[2つのC]という意味。2つのCはワイナリーの玄関口で存在感を放っています。

チョサス・カラスカル / CHOZAS CARRASCAL

オーガニック&エコロジーに特化した「ビノ・デ・パゴ」

ワイナリーの設立は1990年、バレンシアの州都から70km離れたレケーナのサン・アントニオ村に位置する家族経営のワイナリー。樹齢100年の古木のボバルをはじめとする赤8種類、白3種類の合計11品種という多品種栽培を手掛け、シラーやソーヴィニヨンブランは初めてDOに認定されるというこの地のパイオニア的存在です。またトラクターや機械からのCO2排出量削減にも気を使い、設備で使用する電気の6割はソーラーパネルで自家発電、将来的には9割をめざすなど、環境対策にも熱心に取り組んでいます。

生産者ページ
https://milliontd.co.jp/product/chozas-carrascal/

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